カタログ購買における商品選択の最適化~ PB商品の積極活用~

購買・調達NAVI

カタログ購買を活用してロングテール支出の管理を行う企業が増えていますが、その購買内容を分析してみると、プライベートブランド(PB)商品ではなく、大手メーカーのナショナルブランド(NB)商品を購入する傾向が見られます。社内ユーザーがオーバースペック(過剰仕様)を避け、PB商品を購入することができれば、1商品につき約20〜50%のコスト削減につながります。
この記事では、PB商品とは何かを説明し、PB商品を選ぶメリットやNB商品が購入されやすい理由に触れながら、商品選択の最適化を図る方法をご紹介します。

PB商品とは

プライベートブランド(PB)商品とは、小売店や卸売業者など、本来自社では商品を企画・生産しない業態の企業が独自に展開している商品のことをいいます。必要機能を備えながらも無駄を省き、価格が抑えられていることに加えて、広告費や運送費、流通マージンなどのコストもかからないため、NB商品(メーカー品)と比べて大幅に安価という特長があります。

オフィス用品やMRO、理化学機器など、さまざまなカテゴリで商品展開されており、豊富な種類のPB商品を取り扱うサプライヤーとしては、モノタロウなどが有名です。モノタロウでのPB商品の取扱い点数は34万点にもおよび、製造・生産現場で使われるさまざまな資材・消耗品をカバーできるラインナップを取り揃えています。

PB商品は過小評価されている

PB商品は、必要機能・品質を備えながらもNB商品(メーカー品)の50〜70%程度の価格設定であることから、NB商品に代わる魅力的な選択肢です。
しかしながら、認知度が低く社内ユーザーにとって信頼性が低いと感じられる場合もあるため、どうしても過小評価されがちです。

なぜNB商品が購入されやすいのか?

大きなメリットがあるにもかかわらず、バイヤー企業の社内ユーザーはNB商品を購入する傾向があります。
この傾向には、以下のような理由が考えられます。

  • ・これまでの購買慣習によるもの
  • ・PB商品の品質や安全性に不安がある
  • ・PB商品自体やそのメリットを認識していない
  • ・膨大な数の商品カタログの中からPB商品を見つけられない

購買システム内のカタログの中からユーザーが自由に購入できる状態ですと、どうしても検索上位の商品や、より高品質を求め過剰仕様になりやすく、コスト増になりがちです。そのため、サプライヤーと協力して、社内ユーザーに対してPB商品のメリットの理解と積極的な購入を促し、社内のコスト意識を高めて購買行動を変えていくことが重要です。

社内ユーザーの商品選択を最適化しよう

カタログ購買において、オーバースペック(過剰仕様)品の購入によるコスト増を回避するためには、ユーザーが適切な商品を選択できるような環境を構築することが不可欠です。
具体的には、以下のような取り組みが挙げられます。

具体的には、以下のような取り組みが挙げられます。

  • ・ユーザーが適切な商品選択をできるようなカタログ構成
  • ・コンテンツの作成
  • ・コスト削減を図るため、低コスト代替品(ダウンセル)の検索上位表示や推奨品設定
  • ・ユーザーの利便性やコスト意識を高めるため、ユーザー毎に最適化されたコンテンツやメッセージの発信

しかしながら、カタログ購買は、少額・小ロット・多品種といった特性から優先順位が低くなりがちです。
また、「カタログ購買=社内ユーザー専用のオンラインモール」であるため、その管理・最適化には、ECサイト運営の知見やノウハウも必要となるでしょう。
ほとんどの会社の購買部門にはそこまでのリソースはないので、ECサイト運営のプロであるパンチアウトサプライヤーの知見・ノウハウを活用することが、カタログ購買の管理・最適化を図る近道となります。

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