最適なパンチアウト連携先の選定ポイントを徹底解説!
購買・調達NAVI
最適なパンチアウト連携先を選ぶことはとても重要です。ユーザーのニーズにマッチしていなかったり、商品ラインナップが充実していないサプライヤーとパンチアウト連携してしまうと、ユーザーの満足度が下がり、購買管理システム の利用率も下がってしまいます。そこで今回は、最適なパンチアウト連携先を選定するにあたって抑えておくべきポイントを解説していきます。
パンチアウト連携へのニーズを把握
闇雲にパンチアウト連携の候補をリストアップしたり、SaaSベンダーから紹介されたパンチアウトサプライヤーリストを鵜呑みにするのではなく、自社の購買データはもちろんのこと、経理データから、自社の購買傾向やECサイトの利用状況を確認し、ニーズや購買規模を把握の上、パンチアウト連携の候補先をピックアップすることが望ましいです。
パンチアウト連携のポイント
ここでは、連携候補先の中から最適なパンチアウト連携先を選定するにあたって抑えておくべき基本的なポイントを解説します。基本的なポイントを抑えて自社に最適なパンチアウトサプライヤーを選定することで業務効率化やコスト削減など、多くのメリットが得られます。
自社の購買管理システムとパンチアウト連携できるか
自社で使用している購買管理システムとのパンチアウト連携実績はあるのか。連携実績がない場合は、パンチアウト連携仕様書をサプライヤーに提示し、技術的にパンチアウト連携が可能かどうかを確認してもらう必要があります。
必要な商品カテゴリーを網羅しているか
自社でニーズの高い商品カテゴリを網羅しているパンチアウトサプライヤーであるか。また、カテゴリ毎に何社とパンチアウト連携するのかという点がポイントになります。
闇雲に多くのサプライヤーとパンチアウト連携するのではなく、集中購買の観点から、パンチアウトサプライヤーは集約した方が望ましいです。しかしながら、集約し過ぎしまい、テール支出 を防げないのは本末転倒であるため、その辺のバランスを考えて進める必要があります。
品揃えは充実しているか
自社のユーザーが満足する品揃えをラインナップしており、テール支出や都度見積購買を削減または避けることに繋がるのかという点がポイントになります。取扱い商品数が少ないと、都度見積購買が減らず、業務効率化に繋がらないことに加え、ユーザーの満足度も下がってしまいます。
UNSPSC(or 独自のカスタムコード)に対応しているか
後々支出分析 することを踏まえて、どのくらいの粒度でコードが付与されている必要があるのかをきちんと把握しておく必要があります。UNSPSC は、汎用的なコード体系であるものの、パンチアウトサプライヤーによって、対応の程度は大きく異なります。個別商品毎にコード付与しているサプライヤーから、商品カテゴリ毎のコード付与に留まるサプライヤー、固定値のみ対応のサプライヤーまで様々です。
一方で、独自のカスタムコードの場合は、サプライヤーとの個別調整が必要になりますが、対応できないサプライヤーが多いことに留意しなければなりません。
レベル2パンチアウト連携に対応できるか
自社の購買管理システム内でユーザーに商品検索させることを想定して、レベル2パンチアウト連携を希望する場合、レベル2パンチアウト連携に対応できるサプライヤーかどうかを確認する必要があります。
特別価格を提示できるサプライヤーなのか
特別価格を提示できるパンチアウトサプライヤーに対しては、自社の購買ボリュームを提示し、有利な価格・条件を引き出すことが可能です。そこで重要になるのが上述の連携先の集約です。より有利な価格・条件を引き出すには、連携するサプライヤーを絞り込むことが望ましいです。
複雑な契約条件に対応できるサプライヤーなのか
CoupaやSAP Aribaなどの高機能な購買管理システムでは、バイヤー側で特定のパンチアウトカタログ に購買条件に応じた様々な設定ができます。例えば、最低金額を満たさないと注文できない設定をしたり、累積発注数・金額により価格が変動する「段階価格」や期間により価格が変動する「期間価格」等を設定することできます。そういった様々な購買条件を踏まえ、適切な価格・条件を提示できるサプライヤーかどうかも重要なポイントになります。
自社が求める取引形態に対応できるか
サプライヤーによって取引形態(代理店取引 or 直接取引)が異なるため、自社に合った取引形態を提供しているパンチアウトサプライヤーを選定することも重要なポイントです。従来の商流やそれに伴うメリットを活かすという点では、代理店経由で取引できるパンチアウトサプライヤーが望ましいです。とりわけ、MRO や実験機器、試薬といった商材は、工場内配送や現場へのきめ細やかな対応が求められるため、パンチアウトカタログの利便性に加え、地場代理店のきめ細やかな対応が必要となるケースも多いです。
CSR調達やグリーン調達の取り組みに寄与するか
CSR調達やグリーン調達の取り組みを促進するために、環境保全対応商品をひと目で判別・選択できるパンチアウトサイトかどうかも大切なポイントです。エコマークやグリーン購入法適合マーク、GPN掲載マークなどで絞り込んで検索できるどうかなども視野に入れて検討しましょう。
自社が求めるサポート体制があるか
パンチアウト連携の設定や運用に不安がある場合は、サポート体制の有無と範囲を確認しておくことが重要です。
なかにはシステムをより有効活用するための提案や、プロセス設計のコンサルティング、導入後の運用定着化までカバーしているところもあります。ただし、サポート内容によっては費用が発生することがあるため、費用の有無も併せて確認しておきます。
最適なパンチアウト連携の実現は購買管理システム導入の成功可否に繋がる!
数ある購買プロセスの中でも、パンチアウトカタログを利用する購買プロセスは、利用頻度や対象となるユーザーが多いため、重要度が非常に大きくなります。最適なパンチアウト連携先の選定は、購買管理システム導入の成功可否を分ける大きな要素の1つといっても過言ではありません。今回紹介したポイントを抑えて最適なパンチアウト連携を実現しましょう。